『どうする家康』
第7回【わしの家】
あらすじと感想
2023年の大河ドラマ・松本潤さん主演『どうする家康』第7回【わしの家】のあらすじと感想を書いています!
▼前回のあらすじと感想はこちら▼
『どうする家康』第7回「わしの家」あらすじ
家康の人生において三大危機の一つと言われる「三河一向一揆」。
今回はその序章といった回でしたね。
- この時代の宗教の扱い
- 人々が一向宗へ熱狂していった理由
- 家康が置かれた危うい立場
などが描かれていました。
やっぱり調べないとわからないところも多かったけれども、今まで出てきた登場人物は頭に入っていたので、一度見ただけでも大体の状況は理解できました。歴史を知らないおばさんの成長!!
【改名】元康から家康へ!
やっと名前が「家康」になりました!
紛らわしいのでここではずっと「家康」で統一していましたが、家康の名前は「竹千代→元信→元康」ときており、最近は元康でしたが(ざっくりw)、今回でやっとみんなが知ってる「家康」になりましたね。
どうしてこのタイミングで改名なのかというと、「元康」の「元」は亡き今川義元公からいただいた字だったからですね。今川を裏切り、義元の息子・氏真(うじざね)とも決別した今、名前に「元」の字が入っているのはなんとも居心地が悪いのです。ドラマの中では信長にも「縁起が悪い」と言われたそうです。
新しい名前は自分で決めて良いんですね。悩んでいる家康。
ちなみにドラマでは家康と瀬名は岡崎城で仲良く暮らしていますが、実際は瀬名は城には入れず、近くの寺院に住んでいたとも言われています。瀬名はもともと今川家重臣の姫ですからね。家康が今川と手を切った以上、離縁されても仕方がない立場であったようです。(でもそれなら人質交換までして瀬名を取り戻した理由がよくわかりません)
瀬名の両親は自害したとも言われていますが、その数年後も生きていたと思われる史料が見つかったりしているようで、その生死ははっきりしていません。
ところで家康の子供たち、竹千代と亀姫の年齢が同じくらいに見えるのは私だけですか?竹千代が2~3歳くらいの時に亀姫が産まれていたような気がするのですが…。
まぁいいや。実際は家康との仲は微妙だったっぽい瀬名ですが、ドラマでは家康の家臣たちからも大層慕われているようです。
なんだかみんなが一つの家にいるようで…
この言葉を聞き「そうじゃ!わしは三河が一つの家だと思っておるのじゃ!」と閃いた家康。新しい字は「家」に決定!
実際は「家」の字の由来ははっきりわかっていないようです。ドラマでは、武家の元祖である八幡太郎義家公の「家」でもあると言っていましたね。
八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)
源 義家(みなもとのよしいえ)のこと。平安時代後期の武将。八幡太郎は通称。後に鎌倉幕府を開いた源頼朝や、室町幕府を開いた足利尊氏などの祖先に当たる人物、とのことで「武家の元祖」と言われているのですね。
ちなみに、苗字はまだ「松平」です。
そういえば、前回家康の母である於大の方(松嶋菜々子)が「上ノ郷城を落としたら我が夫にください!」と言っていましたが、その通りになったようです。にもかかわらず、於大の方は岡崎城に居座って嫁いびりに余念がない様子。
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鷹狩りのお誘い
そこへ、事務方の家臣・夏目広次(甲本雅裕)が、織田の使いが来たことを知らせにきました。やって来たのは、猿こと木下藤吉郎(ムロツヨシ)です。下品…。
信長から鷹狩りのお誘いとのこと。家康の領土である西尾のあたりでやっていると言います。急な誘いにもかかわらず、鷹狩りのファッションをバッチリ整えて参上した家康。
しかし信長が狩っていたのは鷹ではなく、三河の武将たちでした。せっかく鷹狩りの格好してきたのにw
- 吉良義昭(きらよしあきら)の家臣
吉良義昭は以前家康のことを助けに来てくれたのに、裏切られ城を燃やされた、人の話を聞いてないおじちゃんですね…。今川の忠実な家臣です。裏切った家康を恨んでいないわけがありません。 - 大草松平家(おおくさまつだいらけ)の者
桶狭間の後、家康が大高城から岡崎へ帰る途中で待ち伏せしていた松平昌久の一族ですね。昔からの因縁があるので家康のことは良く思っていないはずです。 - 酒井忠尚(さかいただなお)
酒井忠次(大森南朋)の叔父にあたるとも言われていますが、詳しいことはわかっていない武将。
家康は三河でこういう不穏な者たちに囲まれているのですね。この者たちは家康への謀反の企てを白状したようです。「こんなんでよくわしの家だの一つの家だの言えたものだ」と信長に怒られちゃいました(◞‸◟)
美濃の平定に取りかかりたい信長は、家康に三河をしっかり抑えておいてもらわないと困るのです。
とりあえず蜂起寸前である上野の酒井を潰すよう、家康に命じました。
家康はこれをなんとか抑え込めた模様。しかしこの3年間、ずっと戦続きで暮らし向きも悪いまま。周りも不満だらけだし、岡崎城ももう空っぽ。お金も食べ物もありません。このままでは戦も政(まつりごと)もままならないと嘆く家臣たち。
「どこかから銭が湧いてこないかなぁ」ということで、妙案はないかとあの男が呼ばれました。家臣たちからはイカサマ師と蔑まれているけれど、瀬名奪還に一役買った本多正信(松山ケンイチ)です。
正信は「信長から金を借りれば良い」と言います。でも、対等な同盟を結んだはずなのになんか自分の領土で好き勝手やられているし、その上金まで借りたらますます頭が上がらなくなる、と断固拒否する家康。
本證寺(ほんしょうじ)
信長に借りる以外でどうにか銭を…と思っているところに、瀬名から一向宗のことを聞いた家康。良い教えとのことで今民衆の間で大層流行っているようです。
一向宗の寺院・本證寺には銭がたんまりあり、にぎやかで楽しいところだから一緒に行ってみようと忠次の妻・登与(猫背椿)に誘われていた瀬名。
過保護な家康は「そんなところに行ってはいけない」と反対しますが、「銭がたんまりある」というのは気になります。
本證寺が豊かなのは、不入の権を盾に城に一切年貢を納めていないから。じい(イッセー尾形)によると、今まで年貢を差し出すように命じても応じたことがないのだとか。寺というものは、三河という国にあって三河の国にあらず。
不入の権
寺院に認められていた自治権のようなもの。
武士は寺院の勢力圏に踏み込んで支配することができず、徴税も行えませんでした。
松平家は、三河における一向宗について、今川義元に倣ってこれを認めていたようです。
桶狭間の後、家康が大樹寺に逃げ込んだ際にも、松平昌久は寺の敷地内に入ることができずに外から石を投げるだけ、という描写がありましたね。
家康から本證寺に行くことを禁じられた瀬名ですが、於大の方の手引きでこっそり行くことに。殿方に声をかけられることもある、とっても楽しい場所だと家臣の妻たちもみんなウキウキしてるけど…
一方の家康も、不入の権を認めるのにふさわしい寺かどうか確かめるため、お忍びで本證寺へ行くことに。
若手の平八郎(山田裕貴)と小平太(杉野遥亮)を連れ、薄汚い格好で百姓のふりをしています。
平八郎=本田忠勝
小平太=榊原康政
案内役は、松平の家臣・土屋長吉重治です。実在の人物ですが、吃音だったのかどうかは不明…。多分重要な役なので、特徴を持たせて視聴者に印象付けるためなのかなぁと思いました。
なんかゲーム映像みたいな本證寺の寺内町(じないまち)。幻想的と言いたい。三河一向宗の一大拠点です。周囲の町は堀や土塁に守られ、さながら寺を中心に作られた堅牢な城下町のよう。
家康はその賑わいぶりに驚きます。ここには盗人もいない、外から攻められることもない、だからみんな安心して商いができると言う長吉。なんなら岡崎の城下町より賑わっています。
家康の家臣も出入りしているみたい。渡辺半蔵守綱(木村昴)という武将が長吉を見つけて声をかけてきました。ジャイアンの声の人。「槍の半蔵」とも呼ばれる猛将らしいのですが、主君の顔を知らないのかなぁ。家康に「見ない顔」だと絡み、頭を引っ叩くどころか首を絞めるという不遜な態度をとっていましたw
空誓上人(くうせいしょうにん)
本證寺の住職・空誓上人(市川右團次)の登場です。
歩き巫女の千代(古川琴音)に連れられ、空誓様を見に行く家康たち。
歩き巫女
特定の神社に所属せず、全国各地を遍歴する巫女。
甲斐武田氏は歩き巫女を訓練し、女忍者・くノ一として情報収集に使っていたと言われている。
空誓は巧みな話術で民衆の心を鷲掴みにしています。働けど働けど暮らしが楽にならないのは、戦ばかりしているあほうどものせいだと声高に叫んでいましたね…。
現実の生活が苦しく、意に反して殺人を犯したり盗みを働かなければならない人々にとって、空誓の教え「現世の罪は現世限り」というのは、よほど救いになるのでしょう。
もうみんなトランス状態というか、とにかく熱狂しています。冷静を保とうとする平八郎と、雰囲気に飲まれる小平太の対比が可笑しかったですが…w
小平太と平八郎が「お姉さんたち!一緒に踊らないかい?!」と声をかけたのが知り合いだったというのはもうお約束。最後、踊ってごまかすところが面白かったのでぜひ見てくださいw↓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◥
小平太(#杉野遥亮)
🤝
平八郎(#山田裕貴)
◣_______/
せーの…
「一緒に踊らないかい !?」
\一向宗たちの盛り上がりに乗じて、
意を決して2人が声をかけた相手は…▼ 第7回はおちゃめな一面が盛りだくさんhttps://t.co/KwKBasxfjo#どうする家康 #切り抜き大河 pic.twitter.com/BPevsdr0sC
— 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) February 20, 2023
一方、家康は空誓に直接「なぜ城に年貢を納めないのか」と聞いていました。他の宗派の寺々は、頼めば多かれ少なかれ納めているようです。
政をしている連中(つまり家康たち)が阿呆だからだと答える空誓。貢いでも戦にしか使わない、捨て銭だと…。
しかし家康だって好きで戦ばかりしているのではありません。戦をするのは、三河の民を守るためなのです。
ならば戦をしないためにはどうすれば良いのか聞いても、空誓は「生きている世界が違う。苦しみを与える側と救う側」だとしか答えてくれませんでしたね…。自分だけ良い人ぶっててちょっとズルイ。
その後、家康も瀬名と鉢合わせました。お約束お約束。
その様子を見て、先ほど殴ったのが主君だったと気づいたジャイアン(渡辺半蔵守綱)は真っ青です。やっちまったぁ~~
家康は空誓の返答よりも、瀬名が浮かれてたことの方が腹立ったのかなw 本證寺に家臣を押し入らせ、強引に米を奪います。それどころか、全ての一向宗の寺から無理やり取り立てることに決めたようです。
しかし本證寺にはヤクザみたいな武力派もいました。命を懸けた激しい米の奪い合い。「お殿さんがこんな盗人みたいな真似するなんて…」空誓は家康を仏敵と認定し、徹底的に戦うことに。
一向一揆の始まりです…。
1ヶ月後。一向宗の信徒たちに囲まれて泣いている家康……w
『どうする家康』第7回 感想
家康、泣き叫んでたけど大丈夫…?一向一揆は多くの家臣に裏切られた家康三大危機の一つですからね。
家康に近しい家臣たちは、自分の一族が一向一揆側についても家康を裏切らなかったようですが、渡辺守綱(ジャイアン)のような家康の顔も覚えていないような下っ端の家臣は、空誓みたいなカリスマがいたらそっちに傾倒しちゃうのも無理ないかなぁと思いました。
でも本多正信も一向一揆側につくと書いてありました。やだ!ショック!なんで!
普通に考えたら城下町より栄えてる寺内町なんて、怖くない?
一見極楽浄土みたいだけど、いざとなったらヤクザみたいなの出てくるし。
冷静に判断できなくなるくらい暮らしが貧しくて辛いのも怖いけど。あ~やっぱりあの台詞を言いたくなる。「戦国時代ってやだ」w
でも、今回の話に限っては現代もそんなに変わらないということに気づいてしまいました。